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2020年01月04日
雑感

ボブ・グリーンというアメリカのコラムニスト(シカゴ・トリビューンという新聞で長い間
コラムを書いていました)がマイケル・ジョーダンについて書いた文章でいつまで経っても
忘れられないものがあります。
言わずと知れたNBAを代表するスーパースターなのでたくさんの伝説が残っており、目新しい
エピソードというものはあまり出てこないのですが、このコラムはボブ・グリーンとマイケル・
ジョーダンの間で交わされた極私的な会話が基になっています。ちなみにボブ・グリーンは、
いわゆる匿名の一般市民についてコラムを書くことで有名だったので、ジョーダンのような
誰もが知っている人物についてコラムを書き、更に長きに渡り個人的な親交を深めるというのは、
彼を知る人達にとっては意外なケースだったそうです。
当時NBAのトッププレーヤーとシカゴの新聞のジャーナリストとして、既に親しかった2人が
電話で何気ない会話をしており、その時グリーンが自分の父親について軽い愚痴のようなものを
ジョーダンに打ち明けたのだそうです。グリーンのお父さんは高齢で体調も優れず、電話した時も
誕生日が近付いても憂鬱になるばかりだと言っていたとのこと。その話が終わってからグリーンは
ハッとしてあることに気付きました。それはついこの間、ジョーダンが実の父親を亡くしたばかり
だということを思い出したからです(ヒッチハイカーを装う強盗に撃ち殺されたと記憶しています)。
グリーンはまずい話をしたと思ったそうですがジョーダンは気にする様子もなく話を聞いており、
そして最後にこう言ったそうです。
「それで、お父さんの家の電話番号は?」
しばらくして父親から電話があり前に話した時とはうって変った明るいトーンで、ジョーダンが
自分の家の留守電にメッセージを残してくれたことを話したそうです。そのメッセージは
「お誕生日おめでとうございます、やはり誕生日を迎えられるというのは素晴らしいことですよ。
誕生日を迎えられない人も世の中にはいるのですから。」といった内容でした。グリーンは
大げさに言えば、そのメッセージが父親に生きる希望のようなものを与えたように感じ取った
のではないでしょうか?グリーンは確かこんな風にコラムを締めくくっていました。
「チャンピオンリング?得点王?MVP?それも素晴らしい。
目指すだけの価値があることかも知れない。
ただ、それがその人間をより良いものたらしめるのだろうか?
ジョーダンは『お父さんの家の電話番号は?』と言った。
言う必要などまるで無かったにも関わらず。」
富士店 葉田
Posted by ヤギモク社員ブログ at 11:45│Comments(0)
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